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楽しいランニング

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身体を気遣うことは、楽しいランニングへの道ランニングのトラブルその原因と解消法は?

痛みを訴えるランナーが増えている。走りたくても走れないジレンマに陥る前に、安全な走り方を覚えたいもの。陸上競技日本選手団のトレーナーや、為末大選手のパーソナルトレーナーを務めてきた曽我武史さんに、そのポイントをお聞きした。

 

「ランニングは走るだけの簡単で易しいスポーツですが、続けて行くと怪我も多くある、なかなかハードなスポーツです」

と、警鐘を鳴らすのは、長年陸上競技のトップアスリートのトレーナーを務めてきた曽我武史さんだ。6 年前からフリーとなり一般のアスリートのサポートを開始すると、痛みを抱えるランナーの多いことに驚いたという。気軽に走れるのがランニングの魅力だが、実は身体への負担は思いのほか大きい。実際に、ランナーはどのような痛みを訴えているのだろうか?

「膝や足首、腰、背中、肩などの痛みですね。中には単純な筋肉痛という人もいます。例えば膝が痛いのは、膝そのものばかりに原因がある訳ではありません。モモの前面の張りが酷いと膝に負担が掛かります。膝の裏が痛いのは、股関節が使えず膝や足首で衝撃を吸収して走るから。ふくらはぎの張りや痛みは、足首や足裏の柔軟性がなくて負担が掛かりやすくなっていることに起因します。足首で蹴って前に進もうとするランナーにも多いです」

腰が痛いという声もよく耳にするが、これは腰回りの筋肉が走る姿勢を保ちきれないことによるもの。長く走るにつれて疲労が蓄積され、腰が丸まったり落ちてくる経験は、ランナーなら誰もが持っているに違いない。


走るための筋肉をつけるそれが痛まない身体をつくる

では、このような痛みにどのように対処すればいいのだろうか?「ランニングで負傷すると普通は医者に行きますね。痛みを取り、治してくれますが、それだけではランニングを続ける上での根本的な治療にはなりません。二度と走らないというのなら別ですが、走ると確実に痛みがぶり返します」

曽我さんは、まず痛くなった原因を探り、その原因が筋肉の問題であれば積極的に患部の治療をし、動作が原因の場合には、動作を修正する方法や筋力をつける方法を提案するという。「“ 何で痛くなったのか” を知ることはとても大切です。筋の緊張が強くて痛いのか?

それは休んだら治るのか?

疲労が溜まってくると筋肉は硬くなり、柔軟性を失います。そうなると、ちょっとのことですぐ疲れてしまう。これは筋持久力を含む筋力がないんですね。それが痛みに繫がるんです。その場合は疲労回復を優先して、マッサージを施します。しかし、筋力がなく身体を支える力がない人は、マッサージをしても対処療法でしかありません。筋力をつけることが必要です」

走りながらも、骨盤を安定(骨盤と腰椎が本来あるべき位置に保てる)させる筋肉を付けることが、なにより肝心だと曽我さんは指摘する。つまり、体幹を鍛えるということ。これは、もちろん走りながらでもできるが、それはあくまで“ 徐々に” である。自分の筋力以上に走りすぎる、つまり負荷をかけ過ぎると怪我に繫がるため、ここの見極めは大切だ。「痛みからの解放は、積極的な治療と筋力発揮が必要だと僕は考えます。フォームという人もいますが、フォームを作るための筋肉がなければ話になりません」

うまく走れるようになると、脚(モモ)ではなく股関節周り(腸腰筋や骨盤周り)が疲れるようになるという。ぴょんぴょん跳ねるのではなく、前にスムースに進んでいく感じがつかめたら、記録もずっと伸びるはずだ。「走り慣れていない人は、走る最中に身体が強ばってしまうんですね。長い距離は、いかにリラックスして走るかがポイント。筋力が付いてない人は、リラックスした体勢を保てません。体幹トレーニングをしたら、楽に走れるようになった、というのは自然の摂理ですね」


怪我をしないでランニングを楽しむ方法

1.痛みの原因を見極める
2.走るための筋肉をつける
3.無理せずマイペース

曽我トレーナーからひと言

まず身体をリラックスさせるために、3~5分ほどストレッチをしましょう。ももの前と後ろ、アキレス腱、肩甲骨、脇腹から腰をしっかり伸ばし、身体全体をねじる。終わってもすぐには走り出さず、5 分ほど歩くつもりで徐々にスピードを上げます。肝心なのはクールダウン。ゴールに着いた途端に止まってしまう人をよく見かけますが、それは心肺機能に負担が掛かるため、呼吸を整えるつもりで5 分ほどゆっくりジョギング、もしくは歩きます。興奮した身体を落ち着かせる。さらに余裕があればストレッチすると良いですね。


曽我武史(そがたけし)

1998 年のアジア大会を皮切りに陸上競技日本選手団のトレーナーを務める。2007 年からフリーとなり、為末大選手のパーソナルトレーナーを務める。JOC 強化スタッフトレーナー、日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部委員。TKC 鍼灸マッサージ治療院を開設し、一般からアスリートまで幅広くサポートを行っている。

TKC BODY DESIGN (TKC 鍼灸マッサージ治療院)
東京都目黒区祐天寺1-27-2 コートガーディニア201
TEL.03-6659-6167

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