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ジャン=フランソワ・フォロム氏が手掛ける最新モデルとは? 進化が止まないランニングシューズ 画期的なデザイン革命が進行中!

ランニングシューズの新モデルは市場投入の3~ 5 年前に構想し、デザインされるというニューバランス。同ブランドのチーフデザイナー、ジャン=フランソワ・フォロム氏に、最新モデルのトレンドを聞いた。

 


profile

ジャン= フランソワ・フォロム氏はカナダのヴァルドール市(ケベック州)出身。バウアー社でスケート靴を初めとするホッケー用具のデザインに携わったのち、ナイキ本社(米国、オレゴン州)でスポーツシューズを手がけ、その後ニューバランス(ボストン)に移り、現在はランニングシューズのイノベーションを担当するデザイングループでチーフデザイナーを務めている。5 人のデザイナーからなるチームを統率し、エンジニアや生体工学の専門家の協力を得て仕事に取り組んでいる。

 

JQR: ここ30 年間お馴染みだった従来のランニングシューズが大きくかわるのですか?

Jean-François Follum:3 年前から、ランニングシューズのデザインはすっかり様変わりしました。ミニマリズムの動きが生まれ、ランナーたちは今や、これまでよりより軽く、フレキシブルな素材を要求しています。裸足走法に近いランニングテクニックに適した素材です。踵で着地してから爪先に重心を移動するのではなく、もっと足の中心寄りで着地するのが主流となっています。シューズもこうした新しいテクニックに適用せねばなりません。

JQR: このテクニックは、デザインにどのような影響を与えましたか?

JFF: 発想を入れ替え、すべてを一からやり直す必要が生じ、私たちの仕事の手法は激変しました。素材と形状を変更し、構造も再考せねばなりませんでした。消費者、すなわちランナーがこうしたイノベーションをすべて受け入れてくれたので、この3 ~ 4 年はランニングシューズのデザイナーにとって極めて刺激的でした。

JQR: しかし、モデルチェンジには新モデルの評価が欠かせませんよね?

JFF: 新コンセプトのモデルにゴーサインを出すまでには、大変な数のテストの実施が必須となりました。重さを減らし、フレキシビリティーを高めるのは簡単ですが、衝撃吸収も考えねばなりませんから。一流ランナーと通常レベルのランナーにモニターになってもらって開発に取り組み、ミニマリズムの極致と呼べる超軽量モデルから従来のシューズと比べて重さが約半分のモデルまで、充実したラインナップの新シリーズを整えるに至りました。

JQR: どういった人がこの走法を採用しているのでしょうか?

JFF: 大半は、必ずしも高速で走ることにこだわっておらず、むしろ自分の健康やテクニックを重視して、怪我を避けたいと思っているランナーです。一流ランナーはどちらかと言えば従来型のシューズを選んでいます。理由は単純明快、彼らは従来のテクニックで長年トレーニングを重ねており、ドラスティックな変更には怪我の危険があるからです。こうした新タイプのシューズを一流ランナーが使うのは多くの場合、速度を追求しないトレーニングのときとなるでしょう。

JQR: 新デザインは、すべての国に同じように投入されるのですか?

JFF: 私が統率するデザイングループにとって面白いのと同時に難しいのは、すべての国で通用するグローバルモデルをデザインしなければならないのに対し、美的感覚や機能の面で各国のトレンドは異なる、という点です。私たちが日本市場には特別チームで対応している理由もそこにあります。日本人の足幅は欧米人と比べて大きい。そこで、日本向けには欧米用とは全く異なる木型を使って製品開発しています。用いるテクノロジーも異なります。基底材は固めが好み、といったように、日本のアスリートの要求は独特です。たとえば、私たちが米国でトップアスリートに売っているモデルは、ここ日本ではそれほど高速でないアスリートに受け入れられます。また、カラーの好みも異なります。日本向けには、非常にビビッドなカラーを使います。

JQR: 日本発モデルがグローバルに通用することもありますか?

JFF: これまでも、絞り染めや魅力的でユニークなカラーで「限定生産」の味わいがある日本モデルが誕生しており、米国でも人気ですよ。コレクターの垂涎の的です。また、日本で開発されたランニングテクニックが米国に輸出されることもあります。

JQR: あなたにとって最大の試練は?

JFF: 私の仕事で一番難しい点は、すべての国のトレンドを常に把握せねばならないことですね。

JQR: モデルチェンジがひっきりなしのような気がします。

JFF: 私たちは、一年に2 回、製品ラインをアップデートします。ランニングシューズに限って言えば、一年に30 ~ 40 モデルが投入されています。素材は絶え間なく変化しています。時として、旧バージョンと新バージョンの違いはごく僅かのように見えても、履き心地と機能面で大きな違いをもたらすことがあります。段階を踏みながら、私たちは多くのことを学んでいます。一方、新しいものを求める消費者の要望に応え、全面的にモデルチェンジするケースもあります。

JQR: いつの日になったら、型に流し込んで作るように、私たちの足にぴったりと合う靴を作る装置が実現するのでしょう?

JFF: その日はやってきますよ。鋭意研究中です。これこそ究極の目標ですから。遠くない未来に実現して、新たな革命を巻き起こすでしょう!


2 月にも発売されたミニマスは185gと超軽量。
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